クレジットカードの中でもビジネス向けとして存在する法人カードは、個人事業主から法人企業まで幅広いビジネスシーンにおすすめのクレジットカードです。
経費や管理面などいろいろなメリットを得られるため、法人カードは年々注目を浴びつつあります。
今回はそんな法人カードについて、一般社団法人日本クレジット協会が発表するデータをもとに、全体の発行枚数推移や導入割合の統計をご紹介します。
法人カードの導入割合や統計について
法人カードといっても発行しているカード会社はそれぞれです。
世界的にシェア率の高い国際ブランド「VISA」が2016年に発表したデータをもとに、中小企業・個人事業主で導入されている法人カードの導入割合や統計について見ていきましょう。
■出典:ビジネスカードについて-VISA
法人カードの導入割合
300人未満の中小企業や個人事業主を対象にした調査では、法人・個人カードの導入割合が以下のようになっています。
・「法人カードのみを利用(20%)」
・「個人カードのみを利用(20%)」
・「法人・個人ともに利用(9%)」
・「業務にカードを使っていない(51%)」
法人カード全体の導入割合は29%程度となります。
全体のうち、およそ半分の割合(51%)がカードを使わずに現金払いをしているようです。
一方で、カードを使っている法人格や事業主は49%とほぼ同等の導入割合になっています。
キャッシュレス決済が進んだ2020年では、より法人カードの導入が進んでいると推測できるでしょう。
事業規模ごとの導入割合
事業規模によって全体の法人カード導入割合をチェックしてみると以下のことがわかります。
▼10人未満
・「法人カードの導入割合(16%)」
・「個人カードのみを利用(28%)」
・「業務にカードを使っていない(55%)」
▼10人以上
・「法人カードの導入割合(34%)」
・「個人カードのみを利用(11%)」
・「業務にカードを使っていない(45%)」
業務規模が大きくなるほどキャッシュレス決済の割合が増え、あわせて法人カードの導入も進んでいると考えられるでしょう。
クレジットとデビットの認知度
ビジネス系カードとして活用できる法人カードには、大きく分けて「クレジット」と「デビット」の2タイプが存在します。
それぞれの認知度は70.0%と36.3%になっており、「法人カードといえばクレジットカード」という人が大半のようです。
しかし、デビットカードには、「口座に用意した予算以上の経費を出さないで済む」「審査で断られない」といったメリットがあります。
こういった法人デビットカードのメリットを改めて認識すると、全体のうち27.4%が法人デビットカードの導入する意向を示したとのことです。
法人カードの発行枚数推移
キャッシュレス決済の促進にともなって、法人カードの導入を考えている方も少なくないでしょう。
一般社団法人日本クレジット協会が行った「クレジットカード発行枚数調査結果」について、法人カードの発行枚数推移をご紹介します。
法人カードの発行枚数は年々増加傾向
(単位:万枚、%) | カード発行総数 | 前年比 | 法人カード | 前年比 |
2014年3月末 | 26,722 | △2.9% | 639 | ー |
2015年3月末 | 25,890 | ▽3.1% | 874 | △36.8% |
2016年3月末 | 26,600 | △2.7% | 888 | △1.6% |
2017年3月末 | 27,201 | △2.3% | 923 | △3.9% |
2018年3月末 | 27,827 | △2.3% | 1,002 | △8.6% |
2019年3月末 | 28,394 | △2.0% | 1,002 | 0.0% |
引用:一般社団法人日本クレジット協会-クレジットカード発行枚数調査結果
クレジットカード発行総数は2016年以降から伸び続けているようです。
同じく法人カードも発行枚数を伸ばしており、法人カードの発行枚数は年々増加傾向にあるといえます。
1人あたり2.7枚のクレジットカードを所有
政府主導のもと進んでいたキャッシュレス決済により、法人カードの発行枚数増加に伴って、クレジットカード自体の発行総数も増加傾向にあります。
平成31年に総務省が行った「人口推計」による成人人口比を見てみると、1人あたり2.7枚のクレジットカードを所有している計算です。
クレジットカードがより身近なものになればなるほど、クレジットカードが便利に使えるシーンも今後ますます増えていくでしょう。
■出典:一般社団法人日本クレジット協会-クレジットカード発行枚数調査結果の公表について
まとめ
法人カードの統計について、2016年時点ではおよそ半数の中小企業事業主がキャッシュレス決済を導入していました。
しかし、肝心の法人カード導入率を見てみると全体のおよそ30%程度となっています。
とはいえ、法人カードの発行枚数が2016年から10%以上の割合で増えているのも事実です。
今後キャッシュレス決済が世の中に普及することで、法人カードの導入率や発行枚数も増えていくかもしれませんね。